何某日和

「カメラ」のち「ハンダゴテ」ところにより「プログラミング」 ── そんな私“かめきち”のウェブサイト

スパゲッティのゆで時間に関する実験1(品質 VS ゆで時間)

実験の概要

 研究目的で購入してみたパスタ「ディ・チェコ ディ フィリッポ 1.8mm」と「マ・マー 1.8mm」。 研究企画 パスタを食べる!でも実際に食べ比べをしたのですが、 やはり値段のことだけあります、前者はコシが強く美味しい![1]
太さは同じなのに食べた印象がこれくらい違うのか、さすがイタリア...と実感したのですが、よくよく見てみると、 同じ太さでありながら、ゆで時間は前者10分、後者11分。。。

「まさか、この美味しさの違いは『ゆで時間』の違いだったりして...」

そんな疑問を感じたため、実際に実験してみることにしたのでした。このページでは、その実験の詳細と実施結果、および結論を掲載しています。さてさて、どうなることやら。。。 (実験日:2012.08.07)


[1] 誤解を招いてはいけないので弁明しておきますが、マ・マーのスパゲッティも充分に美味しいものであり、決して「美味しくない」と言っているわけではありません。

実験の方法

 実験の方法は至ってシンプルで、2種類のスパゲッティについて各々「10分ゆで」のものと「11分ゆで」のものを作り、食べ比べてみるというもの。 食べ比べたときの食感や、フォークで持ち上げるor巻くときの絡み具合などを結果データとして収集し、最後の考察部に繋げます。

実験準備の風景 スパゲッティを茹でている様子 カルボナーラソース

ソースなしで食べるというのではモチベーションも上がらないので、カルボナーラソースをかけることに...。 ちなみに、本実験でスパゲッティをゆでる際、塩は用いていません。

マ・マー スパゲティ 1.8mm 11分(標準ゆで時間)

 まずは、マ・マーのスパゲッティ(1.8mm)を、標準ゆで時間の11分ゆでます。 テフロンダイスを用いて作られているため、麺の表面は平坦です。

マ・マー スパゲティ 1.8mm スパゲッティの麺の拡大図 ゆで上がったスパゲッティ
カルボナーラスパゲッティ スパゲッティを持ち上げている様子 スパゲッティを巻いている様子

太いので歯応え・コシはあり。粉っぽさも残らず、麺の縺れ具合もちょうど良い!「コストパフォーマンスに優れた麺」という印象です。 普段はもう少し細いスパゲッティを食していたため、思っていたよりも歯応えがあり、好印象を受けました。(非常に主観的ですね...)

ディ・チェコ ディ フィリッポ スパゲッテッリ 1.8mm 10分(標準ゆで時間)

 次は、ディ・チェコの高品質スパゲッティ(1.8mm)を、標準ゆで時間の10分ゆでます。 こちらはマ・マーとは違い、ブロンズダイスを用いているため、麺の表面にはザラザラがあります。 よく「ソースが絡みやすい」と言いますが、ゆで時間の面にも影響を与えるやも知れません。この凹凸部があって火が通りやすくなったり...。

ディ・チェコ ディ フィリッポ スパゲッテッリ 1.8mm スパゲッティの麺の拡大図 ゆで上がったスパゲッティ
カルボナーラスパゲッティ スパゲッティを持ち上げている様子 スパゲッティを巻いている様子

ううん、さすが。非常に歯応えがあって、先のマ・マー製スパゲッティとは随分と違いますし、芯も残っています。これぞアル・デンテ。 いかにも「口をモグモグして食べている!!」という感じの強い歯応えが特徴です。さて、この歯応えは10分と11分との違いによって生まれたものなのか、それとも本来の品質によって生まれたものなのか...。

マ・マー 1.8mm 10分(短めのゆで時間)

 今度は、マ・マーのスパゲッティ(1.8mm)を、ディ・チェコのものと同じ10分でゆでてみます。標準ゆで時間の11分よりも1分間短くなります。 さあ、歯応えはディ・チェコ製スパゲッティに並ぶのでしょうか。

ミートソース マ・マーのスパゲッティ ゆで上がったスパゲッティ(長めにゆでたもの)
ミートソーススパゲッティ スパゲッティを持ち上げている様子 スパゲッティを巻いている様子

確かに歯応えは若干向上しましたが、明らかにディ・チェコ製スパゲッティよりも弱い歯応えです。「無理矢理固くしてる?」という印象さえ受けるほど。 これなら、マ・マーのスパゲッティは普通に11分でゆでた方が美味しいのだと思います。コシとか弾力などの歯応えではなく、ただ「固い」という感じでしょうか。

ディ・チェコ ディ フィリッポ スパゲッテッリ 1.8mm 11分(長めのゆで時間)

 最後に、ディ・チェコ ディ フィリッポのスパゲッティ(1.8mm)を、マ・マーのものと同じ11分でゆでてみます。標準ゆで時間の10分よりも1分間長くなります。 コシが弱くなると見込んでいますが、結果はいかに。

ゆで上がったスパゲッティ ミートソーススパゲッティ スパゲッティを持ち上げている様子 スパゲッティを巻いている様子

 11分でもコシが生きています。まだ若干の芯も残っています。問題なく美味しく食べることができます。

結論

 今回の簡単な実験でわかったことは、

ゆで時間も質感に作用を与えうるが、生地の品質の良し悪しの方がより重要である。

ということです。個人的には、ゆで時間の逆転によって質感の逆転も起こってほしかったのですが...。(お値段的な問題で。)

 やはり材料の選定から製造過程に至るまで、すべてに磨きを掛けているだけのことはあります。ディ・チェコ ディ フィリッポのスパゲッティは恐るべし。 されど、やはりお値段を考えるとマ・マーからは離れがたいです。マ・マーのスパゲッティもさらに品質に磨きがかかることに期待して実験を締めようと思います。 なお、どちらのスパゲッティも美味しくいただいたことに変わりありません。ごちそうさまでした!

後日談

「マ・マーのスパゲッティもさらに品質に磨きがかかることに期待して」などと言いましたが、どうやらマ・マーのおやだま(?)である日清製粉グループは、 「青の洞窟」というシリーズで高品質パスタを出しているようです。で、これが結構美味しいのでした...という体験については、研究企画 パスタを食べる!の「青の洞窟」編をご覧下さい。